ダンス
—バレエとダンス

私は、ミュージカルでのダンスシーンがとても好きです。 ダンスとして見ていて楽しいものもあれば、物語の場面展開におけるシーンとしての役割を大きく果たしているものもあり、単にバレエやダンスのショーを見るのとは、また違った印象を受けます。 基本的には、ミュージカルで使われるダンスは、クラシックバレエの形を基本にしているものが多いです。劇団四季でも、毎日の基本稽古ではクラシックバレエのレッスンをされているようです。 たくさんのジャンルのダンスが世の中にはありますが、クラシックバレエはその源流として大きく作用しています。 劇団四季のミュージカルだと、コーラスラインなどは、物語自体がミュージカルのオーディションを題材としているため、純粋にバレエを中心としたダンスナンバーを楽しむことができます。
シンプルにダンスがダンスとして、粋で面白いのは、「ウェストサイド物語」あたりでしょうか。 1957年にブロードウェイで初演がされた、社会的テーマを持つミュージカルとして、今も根強い人気を持つミュージカルです。1961年に映画化もされているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。 現代版「ロミオとジュリエット」とも言えるこの作品、当時ニューヨークのウェストサイドで社会問題となっていた、プエルトリコ移民と白人の不良少年たちの対立が描かれるなど、話として非常にシビアでともすれば重い作品。その中で使われるダンスシーンはミュージカルとしてある種の軽やかさを生むために非常に重要な役割を果たしています。 モダンなダンスは、やりきれないイライラを抱える不良少年たちのぶつかる衝動を鮮明に動きとして反映しており、激しくぶつかり合う、若者特有のみずみずしい感性がダンスに乗せられているようで、とても見ごたえがあります。 個人的には、やっぱり悲劇といえば悲劇なので、見終わった後に少しずっしりとしたモヤモヤのようなものが残りました・・・。笑 同じダンスナンバーの多いミュージカルだと、クレイジーフォー・ユーなんかも見ていてとても楽しい気分になれる作品です。

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